今年もアツい夏がやってきましたね!
この記事を書いている時点ではまだ6月の下旬ですが、すでに連日30度を優に超えた温度をたたき出しております。
そして、そんな中ちらほら耳に入ってくる熱中症のニュース。
毎年各テニスクラブ、テニスコートで何人ものプレイヤーが陥っているであろうこの症状。
頭痛や吐き気、そして筋肉の痙攣など様々なことが体に起こり、場合によっては死に至っていしまうという恐ろしいもので、毎年夏の間に多くの人の命が奪われています。
そのため、熱中症を予防の知識というのは、夏場に屋外でテニスを楽しむためには必須の知識であると言えます。
今回は正しい水分補給のタイミングや量など、熱中症を予防しつつテニスのパフォーマンスを落とさないための知識&技術をご紹介していきますので、どうか最後までお付き合いください!
それでは参ります!
水分補給のタイミング
まず皆さん。
水分補給はどのようなタイミングでしていますか?
おそらく大体の方は【喉が渇いたと思ったら水を飲む】という方法をとっていると思われますが…
それでは遅いです!
ではなぜ遅いのか?
それは人間は体内から水分がある程度失った、初めて喉の渇きを覚えるからです。
そして具体的な数値でいうと2%くらいの水分が失われてからだとされています。
ここでまた多くの方が「たった2%じゃん!」とお思いになるかもしれませんが…
また大きな間違いです!
2%の水分を失った時点で運動のパフォーマンスは低下し始めており、さらにもう1%失って体内の水分を3%程失おうものなら体が熱を逃がすための機能が低下しパフォーマンスも劇的に低下し始めるとも言われています。
ある研究によれば体内の水分が3.1%減少することで、パフォーマンスは劇的に低下するとされております。
具体的には上半身のパワーは7.17%、下半身では19.20%と非常に大きくパワーを落とすとされており、こうなっては普段通りのプレイなどは到底できません。
もちろん筋力だけの問題ではなく、水分を失うことで体に熱がたまりやすくなり、脳をはじめあらゆる器官に悪影響が出始め熱中症の症状も出始めます。
そうならないためには、まずは喉が渇きを覚える前に水分補給をとることがベストなのです。
ただし!
そうはいっても一応のルールがあった方が良いとは思うので、テニスの練習中やその前後での上手な水分の摂取方法をここからはご紹介していきます。
練習前
練習中に脱水状態にならないため、練習中の水分補給はもちろんですが…実はそれだけでは不十分!
水分補給は練習前から始まっています。
練習前にエネルギーを補給し、スタミナ切れを起こさないようにするのと同様、練習前にあらかじめ体内の水分量を多くしておくことが重要です。
目安としては練習の2時間前に500ml程度摂取しておくことです。
練習の直前になってしまうと水分が吸収されていないまま練習を始めることとなり、500mlも一気に飲み干してから練習を始めればお腹にたまったままとなってしまうため、少し時間をあけた2時間前というのがおススメです。
また、90分以上の長時間の練習を予定している場合には何か一緒に軽食をとるか、もしくはスポーツドリンクの様なある程度の糖分や塩分などが入ったドリンクを選ぶと良いでしょう。
練習中
先ほどご紹介した通り、練習中の水分補給はとても重要で、可能ならば喉が渇きを覚える前に水を飲むことが重要です。
ただしそれだとどのくらいの量を飲めば良いのかはっきりしないので、ある程度の目安をご紹介していきたいと思います。
それは15分に1回の水分摂取を行い、その際に250~300mlを摂取していくといった方法です。
もちろんこれは目安であり、これ以上・以下だといけないわけではありません。
ただし、あまりに少なすぎれば当然体内の水分量がみるみる減っていきますし、多すぎでも全て吸収しきれずにお腹の調子がイマイチになったりといったことが起きるのでこのあたりがおススメです。
さらに水の温度についてですが、これはある程度冷たくしてあるものがおススメです。
オススメの温度は10〜15℃の間に調整したドリンクで、理由としては冷たいドリンクの方が体内に吸収される速度が速くなり、かつ体温の上昇を下げることも期待できるためです。
もちろん凍る寸前のドリンクの方が飲んでいて気持ちが良いかもしれませんが、それだと少し消化器官に負担をかけてしまう可能性があるので冷やしすぎにもまた注意しましょう。
練習後
ここからは練習後の水分摂取方法です。
練習前と練習中に行うべき水分の摂取方法をここまでご紹介してきましたが…
実はここまでやっても多くの場合で完全に脱水を防げているわけではないのです。
練習の強度にもよりますが、多くのプレイヤーは夏場には一時間に1~2.5ℓ程の汗をかくとされており、発汗量が多いプレイヤーであれば3ℓを失うこともあります。
そのため、先に紹介した15分毎に300mlの補給を行っていても、どうしても足りなくなってしまうのです。
「じゃあもっと水分の摂取量増やせばよいじゃん!」
と、お思いかもしれませんが、飲んだ分だけ全て吸収することはできないのでがぶ飲みは禁物です!
理想としては運動の前後で体重を図っていただき、運動後の体重の減少量が体重の2%くらいまでならば上出来です。
ということは体重が50㎏の人であれば1kg、100kgの人であれば2kgの体重減少までは合格点ということになります。
ではここから本題の運動後の水分摂取についてですが、目安としては失った水分量の150%を補給することです。
そのため、運動後に体重が1kg減っていれば1.5ℓ、2kgならば3ℓといった形です。
もちろん一気にこれだけの量をというわけではなく、運動終了後に数時間かけて徐々に補給していく形です。
ドリンクの種類
ドリンクの種類については短時間かつ強度の低い練習であれば普通の水でも良いとは思います。
しかしそうでないならば、ある程度の糖分や塩分、カリウム、そしてその他の電解質などが入ったものがおススメです。
細かく言えば糖分の濃度は4〜8%の間で、塩分は250mlにつき70㎎などが理想であるなどといったデータはありますが、正直面倒くさいと思いますので…
スポーツドリンクを飲みましょう(笑)
スポーツドリンクは糖分や塩分が入りすぎている等、色々と言われることはありますが、塩分やカリウムが発汗で大量に失われている中で、水だけを摂取していくのは逆に非常にまずいのです。
そのため夏場に激しい練習やトレーニングを行って大量に汗をかくアスリートはただの水ではなく、スポーツドリンクの様に栄養が入っているドリンクを選びましょう。
最後に
テニスは非常に過酷なスポーツです。
基本的には野外での練習や試合が夏であってもメインで行われ、場合によってはそれが長時間にわたります。
水分摂取の仕方一つで普段の練習の高効率化や、試合でのパフォーマンス向上が見込めますので、今回ご紹介した様な賢い水分の摂取方法を心がけることで過酷な夏を乗り切っていただければ幸いです。
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